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インド:ハラル美容製品の可能性

二人のインド人姉妹が、年間売上数十億ドルと言われながらも大企業に独占されている化粧品市場に乗り出そうとしている。グジャラート州のアーメダバードに住むTeli家の姉妹は、ハラル化粧品というニッチな市場に目を向けているのである。

「化粧品は非常に競争の激しいビジネスです。巨大企業が多いのですが、私達はまだ立ち上げたばかりです」とMauli Teliは言う。彼女は2012年に設立されたEcotrail Personal Care社の経営者であり、同社は今年9月にIba化粧品を立ち上げた。

「当社製品を差別化することにより、消費者が試してみたくなるよう、多くの価値観を提供していく必要があります」と、インドのオフィスでGulf Newsのインタビューに答えて語っている。

特殊分野

姉であるMauliはミシガン大学から医薬品研究で修士号を取り、医薬品や医療の分野の経営コンサルティングの経歴を持つ。今回のプロジェクトは、彼女がインドに帰ったところから始まったものである。

「インドに帰ったとき、自分でブランドを立ちあげたいと考えていました。起業家になり、自分で何かを始めたかったのです」と30代前半のMauliは言う。

「インドを国として見た場合、生まれや宗教など、さまざまな人達がいて、多様な需要があります。インドは週ごとに異なっているのです」と付け加えた。

化粧品の分野では、「多国籍企業とAyurvedicのブランドがほとんどを占めています。しかし自然派化粧品であっても動物由来成分を使うなど、消費者の求めているものを提供できていないブランドも多く、改善の余地があります。」

Mauliとまだ20代の妹であるGrishma Teliは医薬品分野での経験は持っていたが、家族がムスリムだったわけではないので、ブランド立ち上げの前に綿密な調査を実施した。

バイオ工学の専門家であるGrishmaはヒューストン大学で修士号を取得し、今はEcotrail Companyの副社長となっている。

研究主導

「私達は一年ほど、さまざまな州での研究に時間を費やし、化粧品の分野ではハラルは新しい考えであると感じました。インドでムスリムの女性に会えば、彼女たちが使うことのできない製品があるということはわかりますし、潜在的な需要があると思いました。例えば、口紅に豚の脂肪が使われていないのか、スプレーや香料にはアルコールが使われていないのかなど心配する必要があります。使うとしても礼拝の時に問題になるので、限られた使用法になってしまいます。」

インドの人口の14%がムスリムであり、世界的に見てもインドネシアに次いで2番目に多い。インドネシアとマレーシアにはハラルの認証をとった化粧品がある。ハラル化粧品の今後の需要に可能性を感じた二人は、非ムスリムでありながら、プロジェクトを立ち上げる決心をした。「私はジャイナ教徒です。ムスリムじゃないからと言っても、ハラルに関わるべきでないとは思いません」という。

EcotrailはIbaというブランドの化粧品でハラル認証を取得したインドで初めての会社である。Iba製品はすべて動物由来の成分やアルコール成分を含んでいない。

販売している製品は、クリーム、ローション、シャンプー、口紅やカジャルなどの化粧品などである。「牛乳やはちみつ、蜜蝋なども動物由来成分なので使っていません。ビーガンであるとも言えますね」とマウリは言う。

彼女の説明によると、アロエ、ざくろ、いちじくなどの果物や野菜を使って作っているという。アラビア語で自尊心を表す「Iba」という単語が選ばれたのはそのためだという。

報道されている数字によると、ハラル市場の規模は世界中で4兆ドルにのぼり、そのうち260億ドルが化粧品である。

インドのハラル市場について質問すると、Mauli氏は「インドではハラル市場がどれ位大きいのか、まだ研究がされていません」と答えた。

二桁成長

しかし、「一般的に言って、これまでインドはまだ製品が浸透しておらず、あらゆる企業が化粧品の分野で成長を重視している結果、インドの化粧品市場は二桁成長をしています」と答えた。

発売二ヶ月間の市場の反応はいいと、Mauli氏は言う。

これまでAhmedabadだけで購入できたが、11月10日からはインド全国で購入できるようになった。

来年初めにはインド国外への輸出を始めようと計画を検討している。すでにヨーロッパ、中東、南アフリカから問い合わせが来ている。

 Gulf News

 Ecotrail Personal Care