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ドバイFDIがIHIを誘致 イスラム経済イニシアティブを加速

ドバイ経済開発省(DED)に属しているドバイ投資開発庁(ドバイFDI)は、イスラム経済を発展させることを目指すドバイの取組の一環として、世界中でハラルのコンセプト確立に取り組む国際ハラル品質保証(IHI)連盟がドバイに地域事務局を開くよう招致した。

ドバイFDIはドバイがイスラム経済にとっての資源センターもしくはハブになることを目指しており、IHI連盟による中東支部設立を支援することにより、地域のハラル産業の成長を促す目的だ。IHI連盟中東支部は専門的な観点やイスラム教との整合性に重点を置き、企業、政府、ハラル監査官、ハラル認証会社に対し、ハラル業界向けの研修を提供する。

アラブ首長国連邦首相兼ドバイ首長であるMohammed Bin Rashid Al Maktoum氏が推し進めるイスラム経済イニシアティブの後押しを受け、国内ハラル業界にはかつて無い需要と供給が生まれつつある中で、IHI連盟が国内に設立されることは大きな意味を持つ、とドバイFDIの最高経営責任者(CEO)であるFahad Al Gergawi氏は話す。

「イスラム経済イニシアティブは、最高水準を目指すドバイにふさわしいような一流の規格と実践を必要としている。IHI連盟中東支部では、ハラル業界の人びとが必要とする知識の共有と技術の継承を推進していくことにより、品質、安全性、持続可能性においてリーダーシップを発揮してグローバルでの認知を高めていく」とAl Gergawi氏は言う。

イスラム経済イニシアティブとは、ドバイの活気に満ちた経済と共存できるようなイスラム経済を築くための総合的なプラットフォームを作ることを目的としている。提案されているプラットフォームには、イスラム金融、ハラル食品と貿易の規格、イスラム契約の調停方法やイスラム品質管理規格などが含まれる。

IHI連盟は2006年マレーシアで開催された第一回世界ハラル会議において、ハラルの価値観や実践、品質管理を広めるために設立され、その目的は2008年のイスラム諸国会議機構(OIC)において強化された。IHI連盟はイスラム商工会(ICCI)と連携してハラルの認知やその認証、研修、協調、加盟メンバーを通じて、国際的な貿易におけるハラル・コンセプトの信頼性確保に努めていく。

IHI連盟の創立者であり事務局長でもあるJumaatun Azmi氏は、これまで企業や政府と協力してきた経験が豊富であることに言及し、急速に成長しているドバイ経済に適したハラル・システムを作ることに向け、すぐにでも最適な事例を示し、その手順を確立することに貢献できるだろうと言う。

「Mohammed氏のビジョンは、IHI連盟の活動にとって良い知らせであり、ハラル食品やライフスタイルの分野における1.62兆ドルの市場をドバイの企業が獲得する役に立てることを嬉しく思う。IHI連盟はマレーシアなどの国で行ってきたように、ドバイのハラル業界のためにイスラムと技術的な知識に裏打ちされ、専門家としての規律や品質保証、今後のビジョンをバランスよく兼ね備えている」と言う。

また、ハラル認証を受けた製品は世界中が求めるようになってきている中、ドバイがイスラム経済においてハラル産業を真剣に育成していこうとした決定はいいタイミングであったと、Azmi氏は言う。ドバイ政府の支援を受けることによって、IHI連盟はハラル準拠と認証のため、迅速かつ効率的にドバイ企業に研修、助言、認証を行うことができるようになると付け加えた。

現在IHI連盟には42カ国で144のメンバーが有り、そのうち53は認証機関である。IHI連盟は3つの機関でハラル認証のプロセスを打ち立ててきた。IHI連盟の規格はWBO-TBT(世界貿易機関/貿易の技術的障害)協定の規格開発に向けた適正実施基準にしたがって開発された、世界的なハラル規格である。