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イスラム圏開拓へ 飛騨牛輸出、観光誘客目指せ 岐阜県

 県は、イスラム教の戒律に従って処理したことを意味する「ハラール」を研究するプロジェクトチームを6月下旬、県庁内に設置する。古田肇知事が27日の定例会見で明らかにした。マレーシアやインドネシアなどイスラム圏諸国への県産品輸出、観光誘客への取り組みを進める。

◆「戒律」研究チーム、来月設置

 ハラールはイスラム教の戒律で「許されたもの」という意味のアラビア語。イスラム教徒は豚肉やアルコール由来の調味料などは戒律により口にすることはできない。それ以外の牛肉なども正規の手順に従って処理されたものでなければいけない。

 イスラム圏諸国ではハラールの認証制度があり、原材料や製造方法、加工、包装など全ての過程で戒律に合っているか確認している。

 県のチームでは、飛騨牛をインドネシアに輸出するため食肉処理施設のハラール認証取得を研究する。

 インドネシアは現在、日本からの牛肉輸入を禁じているが、再開を検討しているとされる。再開時に飛騨牛が他のブランドより一足早くインドネシアのハラール認証を取得していれば、約2億人のイスラム教徒がいるインドネシア市場で一定のシェア獲得を期待できる。県内の宿泊施設や飲食店、食品のハラールへの対応についても調べ、観光客増加の可能性を探る。

 古田知事の今月末からの東南アジア訪問に県担当者も同行し、市場調査をする。古田知事は「イスラム圏は新たなマーケットとして有望で、積極的に進めたい」と話した。