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人気の海女小屋にムスリム礼拝室…観光客誘致/三重

  三重県鳥羽市相差(おうさつ)町で人気の海女小屋「はちまんかまど・あさり浜」に、イスラム教徒(ムスリム)向けの礼拝室が設けられた。

 中部国際空港(愛知県常滑市)に今年3月、ムスリムの多いマレーシアからの直行便が就航したのを契機に、同国からの観光客を呼び込もうとPRしている。

 はちまんかまど・あさり浜は、海女が炉端で焼いた魚介類を食べられる観光施設で、2004年に開設された。経営会社の野村一弘社長(53)は「東南アジアから、団体だけでなく個人からの問い合わせも増えている」と話し、マレーシアからは昨年に約500人、今年はすでに約1200人が訪れた。

 礼拝室は先月初めに完成。男女それぞれ8畳、6畳の広さで、カーペットを敷き、聖地メッカの方角を示すステッカーと方位磁石を置いた。礼拝前に手足を清める小浄施設も備える。調理にもアルコールが禁じられているムスリムに配慮し、ヒジキの煮付けにはみりんを使わない。

 24日には、マレーシアの大手旅行会社「アップルバケーションズ&コンベンションズ」の担当者が、東南アジアの人気ブロガー2人とともに来訪。礼拝室などを見学し、イセエビやサザエなどを堪能した。同社のアイビイ・テヨさんは「1日5回礼拝するムスリムにはとても便利。マレーシアの人たちに情報をしっかり伝えたい」と話していた。

読売新聞