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ハラール認証押し 名護に会社設立 沖縄

 イスラム教の戒律を守っていることを示すハラール認証の取得を支援するハラル・レキオス(名護市、饒平名知也代表)が、24日までに設立された。イスラム諸国の経済成長に伴い、イスラム教徒(ムスリム)の訪日観光客が増加する一方、ハラール対応は追いついておらず、受け入れ態勢の整備が課題となっている。ハラール認証取得支援機関のハラル・ジャパンと協力し、県内企業の認証取得を広め、ムスリム観光客の誘客につなぐ。

 4月に同社を立ち上げた饒平名代表は「まずは観光客の受け入れ態勢の整備が必要」とし、ホテル・宿泊業や飲食業、土産物製造業にニーズがあるとみている。

 同社は、お菓子のポルシェのハラール認証取得を支援。認証機関のアジアハラール協会を紹介したほか、お菓子のポルシェの工場を視察し、課題を洗い出して、認証取得に必要な改善策をアドバイスした。

 当面は、認証取得のアドバイスなどのコンサル業を手掛けるほか、ハラル・ジャパンと提携して県内で講演会やセミナーを開催する。将来的には、ムスリム観光客の動向を分析し、マーケティング事業にまで広げたい考え。

 県内では、東南アジアに近い地理的優位性から、ムスリム観光客の増加や、イスラム諸国への輸出増を見込み、八重山殖産やお菓子のポルシェが認証を取得するなどハラール対応に取り組む企業が増えてきている。

 ただ、ハラール認証取得には、礼拝所の設置や、豚肉やアルコールに触れた調理器具や食器は使用できないなど手間と費用がかかるため、普及は進んでいないのが実情だ。

 東南アジアでは、インドネシアやマレーシアを中心に7億人以上のムスリムがいるとされている。経済成長で、富裕層や中間所得層が増加しており、今後も成長が見込まれる市場として注目を集めている。

 同社は、26日午後4時から那覇市ぶんかテンブス館で、会社設立報告会を開く。ハラル・ジャパンの佐久間朋宏代表理事の講演会もある。参加無料。

沖縄タイムス