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大阪駅ビルにイスラム礼拝施設 観光客に対応

JR大阪駅ビルに入る百貨店「JR大阪三越伊勢丹」の改装に合わせ、駅ビル内にイスラム教の礼拝施設の設置を検討していることが11日、関係者への取材で分かった。インドネシア、マレーシアなどからイスラム教徒の観光客が増えているため、戒律に対応し、百貨店などの売り上げ拡大につなげる。

 イスラム礼拝施設は関西空港にあり、大丸札幌店にも設置予定だが、「駅ビルに設置するのは聞いたことがない」(日本ビルヂング協会連合会)という。

 三越伊勢丹は不振が続いたため、売り場を約6割縮小することを決め、今月28日から本格的な改修工事が始まる。隣接する専門店街「ルクア」との一体運営に切り替え、2015年春に新装オープンする予定だ。

 礼拝施設の具体的な設置場所は選定中だが、三越伊勢丹やルクアにも行きやすい共用スペースが有力。約20平方メートルの部屋を男性用と女性用とに分け、それぞれに3人程度入れるようにし、1人ずつ仕切る。体を清める手洗い場の設置も検討している。

 大阪府によると、13年に大阪を訪れた外国人観光客は前年より約3割増え、約262万人だった。イスラム教徒への対応が進むと、東南アジアなどからの観光客増加に弾みがつく、と関係者は期待している。

 中國新聞