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「ハラル」実践事例視察 食肉会社・観光業が参加 沖縄

 中小企業基盤整備機構沖縄事務所と県産業振興公社は15日、県内企業を対象に「ハラルセミナーツアー」を開催した。経済発展とともに海外への旅行需要が高まるイスラム圏の観光客受け入れに役立ててもらうのが狙い。飲食や生活習慣に厳格な規律があるイスラム教徒向けにサービスを提供しているJICA沖縄やお菓子のポルシェ、カフーリゾートフチャクコンド・ホテルの先進事例を視察。食肉加工会社や観光業界関係者など約50人が参加した。

 「ハラル」とはイスラムの教えで許された「健全な商品や活動」の意味。豚肉や豚由来の成分、アルコールなどを中心に、避けなければならない食べ物や飲み物があり、企業の間で、イスラム教の戒律に従った商品やサービスを提供していることを示すハラル認証を取得する動きが広がっている。

 お菓子のポルシェの御菓子御殿松尾店では、原材料や製造工程などでハラル認証を受けた紅いもタルトの生産ラインを見学。JICA沖縄国際センターでは、施設内食堂でイスラム教徒の研修者のために食材の取り扱いや保管方法に配慮した「ハラル対応」のメニューを提供している事例を紹介した。参加者は対応メニューを試食し、調理場を視察。熱心にメモを取ったり、写真に収めたりしていた。

 沖縄を拠点にハラル対応の日本食加工事業などを計画している食のかけはしカンパニー代表の篠原辰明社長は、セミナーで「国内でハラル対応の食材や調味料などは入手しにくい現状がある。ANAの物流ハブ事業を生かし、沖縄をハラル関連産業が集まるハブにしていくことができれば」と期待した。

沖縄タイムス