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「越中焼」登場 イスラム教徒も安心 富山県

 射水市の太閤山ショッピングセンター「パスコ」前に13日、イスラム教の戒律に従っ て作った「ハラール」の鶏肉を使ったキーマカレー入りの大判焼きを扱う店がオープンし た。脱サラして店を開いた為井秀峰さん(56)=富山市八尾町福島=の心意気に、かつ て一緒にパキスタン人を描いた自主映画を制作した仲間が集い、新メニューを提供した。 今後、イスラム教信者にも手軽に味わえる一品として市内外に提案する。

 開店したのはたこ焼きやエビ焼きなどを扱う「秀(ひで)たこ」で、キーマカレーあん 入りの「越中焼」(1個税込み150円)を提供する。市内在住のパキスタン人ナディム ・アリさんが豚肉やアルコールを入れず、血を抜いた新鮮な鶏肉を生かしたルーで仕上げ た。

 2008年、射水市内の中古車販売店で働くパキスタン人を描いた映画「パキスタンス トリート」が自主制作された。為井さんは社長役を務め、アリさんの家族が映画の一場面 に出演した。プロデューサーを務めていた富山市内の会社員高橋良美さんがパキスタンの 食文化などを考慮し、新たな大判焼きを提案した。

 この日は、映画に出演したチンドンマンも演奏を披露し、開店を祝った。為井さんは「 世界中の人に食べてもらい、幸せを感じてほしい」と意気込み、高橋さんは「映画作りの 縁を大切にし、富山発の新たなファストフードとしてアピールしたい」と語った。

富山新聞