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ムスリム向け料理:鳥羽のホテル、初の勉強会に40人 /三重

 ムスリム(イスラム教徒)観光客向けの料理勉強会が、鳥羽市安楽島町の鳥羽ビューホテル花真珠で開かれた。開催は初めてで、旅館などの料理人や観光関係者ら約40人が参加した。

 伊勢鳥羽志摩インバウンド協議会、三重三料会、鳥羽旅館組合女性部あこや会が主催した。観光地の伊勢志摩地方は近年、外国人観光客が増加し、東南アジア各国のムスリムの訪問も珍しくない。その一方で、豚肉やアルコールを厳しく禁じる宗教的戒律から、宿泊施設や飲食店などで戸惑いも多いため、ムスリム向けの和食の勉強会を開くことになった。

 イスラム法にのっとった食材を使い、三重三料会員の料亭・武蔵野(松阪市)、旅館・朝日館(伊勢市)、旅館・浜千代館(同)の料理人が吸い物やカニとぎんなんの揚げ物、漁師茶漬けなどを参加者の前で調理した。同会の松浦貞勝会長(63)が調理した刺し身やデザートなどと合わせ、計10品の会席料理を完成させた。

 イスラム法にのっとって処理されたハラール認証の食材や消毒液などは市販されているといい、松浦会長は「禁じられた食材に気を付けていれば、手の込んだものを使わなくても同じ料理が提供できる。和食を求めて伊勢志摩に来ているのだから、味付けを変える必要はない」などと説明した。

毎日新聞