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世界各国におけるハラルへの取り組み

ハラル食品は宗教的なものとしてだけではなく、健康な生活や動物の権利を尊重する文化を表している側面も有り、世界的なトレンドとなりつつある。

イスラム経済が全体的に台頭してきている中、ハラル食品の消費量が急速に拡大してきている。ハラル食品は世界中の食品業界全体の16%を占めているが、近年の市場調査研究によると、特にアジアでは63%、アフリカでは24%、ヨーロッパでは10%に上っている。世界の人口4分の1を占めている上に堅調な増加を続けており、中流階級の所得が向上していることからも、ハラル食品にはまだ大きな成長が見込まれている。

シェパーズ・パイがハラル食に

数多くの非ムスリム国や世界的な食品メーカーがハラル食品の重要性に気づき始めたことにより、新しい製品がスーパーマーケットやレストランに並ぶようになってきている。今ではホットドッグやハンバーガー、シェパーズ・パイから寿司までさまざまなものをハラルで揃えることができる。

日本ではハラル食品の文化がすでにニッチなセグメントへと成長している。日本ハラール協会は昨年、長野県の会社に対して、日本の日常食の一つである味噌で初めてのハラル認証を与えた。そのほかにも、東京大学ではざるそばや、羊肉・鶏肉入りの煮込みうどんなど、ハラル認証を受けたメニューを採用するようになった。

日本ハラール協会の理事長レモン史視氏は「このようなハラル認証を得ることにより、ムスリム国でも日本食が受け入れられるようになり、日本のメーカーにとっての可能性を広げてくれるでしょう」と言う。

食文化が最も盛んな国の一つであるタイでもハラルの流行が始まっている。バンコクやタイ国内観光地ではハラル・レストランが数多く存在する。人気の高まりが功を奏して、今年5月に開催されたプーケット・ハラル・エキスポには300以上のハラル関連団体が世界中から参加し、製品開発に焦点を当てたセミナーが開かれた。

Chulalongkorn大学ハラル・サイエンス・センターの准教授であるWinai Dahlan氏は、「タイが世界中に輸出する食品のうちハラル食品は20%を占めているが、それでもムスリム人口の拡大に伴う需要増には対応しきれていない」とGN Focus誌に対して話している。「業界がさらに拡大するためには、新しい製品も必要になってきている。」

フォアグラも

巨大なムスリム人口を抱える西欧諸国も市場に参入を始めている。イギリスではTescoなどの大型スーパーに行けばハラル肉やソーセージが手に入るし、ハラル・ベビーフードやハラル・オーガニック食品なども出てきている。イギリスの一部ファーストフード店ではハラル鶏肉のみを扱っているところもある。

ヨーロッパ最大のムスリム人口を抱えるフランスではフランス名物料理のフォアグラを始め、さまざまなハラル食品をスーパーや食料品店で購入することができる。ドイツではハラルを専門に取り扱う食品会社が堅調に増えており、サラミやボローニャ、人気の高いソーセージをハラル基準に従って生産している。

ドイツ食品小売協会によると、ハラル食品はオーガニック食品よりも売上が大きくなっており、「事業の重要な柱」になっているという。

世界的な食品会社もハラル製品を数多く市場に出しているが、統一されたハラル食品基準がないため、同じハラル製品を世界中で販売するということができていないという問題がある。

スイスの認証会社SGSの食品認証マネージャーであるEvangelia Komitopoulou氏は「現在世界中にはおよそ122のハラル認証団体があると言われており、中には政府の部局がハラル認証をしているというところもある。それぞれの国が国や地域の利害に従って、自ら世界的なハラル認証のハブになろうと争っている」と言う。

イスラム諸国会議機構(OIC)は2012年に世界的なハラル規準を作るため、UAEに対して世界57のイスラム国で適用できる統一基準を三年以内に策定するよう指示した。このような基準が導入されれば、ハラル食品業界は世界中でさらに大きな弾みをつけることになるだろう。

Gulf News 

 

 

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