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熊本市、イスラム客誘致へ覚書 マレーシア公社と

 熊本市の幸山政史市長は3日、マレーシア政府の直轄機関「ハラル産業開発公社」と相互に協力する覚書を9日に結ぶと発表した。イスラム観光客の誘致や地元企業の東南アジア進出を促す。同公社と協力関係の覚書を締結する自治体は全国で初めて。イスラム教徒への接待作法や、イスラムの戒律にのっとった「ハラル商品」の製造で公社の指導を受ける。

 9~12日に市長らがマレーシアを訪れる。首都クアラルンプールで開かれる世界最大級のハラル関連イベント「ワールドハラルウイーク」に参加する。熊本からホテルや料理店など観光・飲食業、食品製造業、県や大学の関係者ら約30人が同行する。

 市は企業がハラル食品や化粧品を製造する際などのガイドラインを独自に作成する。ホテルにイスラム教の礼拝堂を設ける際の注意点などもまとめる予定だ。ハラル認証の取得促進も視野に、公社の協力を得て東南アジアへの企業進出も支援する。

 日本政府観光局によると、2013年の訪日外国人客数(暫定値)はマレーシアが前年比35.6%増の約17万人6千人。経済成長に加え、13年7月からマレーシア人の入国査証(ビザ)が免除された影響も大きい。

  ▼ハラル商品 イスラム教の教義で禁じられた豚肉やアルコールを含まない商品。禁忌品を製造過程でも一切排除していると認証機関が認めれば、ハラルマークを付けることができる。対象は食品や衣服、玩具、家電製品など幅広い。

日本経済新聞