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神田外大にアジア食堂 日本の大学初 「ムスリムフレンドリー」目指す 千葉県

 食を通じて異文化理解を深めてもらおうと、神田外語大学(千葉市美浜区)にアジア各国の料理を提供する学生食堂「食神(しょくじん)」が完成した。ムスリム(イスラム教徒)が安心して食事ができる「ムスリムフレンドリー認証」の取得も目指す。一般市民への開放は今秋の予定。

 学生に異文化に触れてもらい、アジア圏の人たちとコミュニケーションをとれるスペースを作ろうと企画。2011年から構想を練り、今年4月に神田外語大生と卒業生を対象にオープンした。企画部長の今村裕幸さん(55)は「食べて終わりではなく、食を通してアジアを理解してほしい」と期待する。

 グリーンカレー(タイ)やチヂミ(韓国)、フォー(ベトナム)など、アジア各国の料理を楽しめるのが特徴。メニューは約20種類で、週替わりとなっている。

 メニューだけではなく内装にもこだわりを見せている。延べ床面積975平方メートルの店内では、屋台テーブルやストリートベンチを並べてアジアの街並みを表現、食堂中央には学生が舞踊するステージを設置した。タイの3輪自動車「トゥクトゥク」などの展示もしている。ムスリムの礼拝スペースも作る予定。

 学生たちは「手軽にアジアの食事ができていい。これをきっかけにアジアの文化に触れてみたくなった」「食べ物だけではなく見た目にもこだわっていて雰囲気が明るい」と好評だ。

 ムスリムは戒律で豚や酒などを使用した料理を食べることを禁止されている。食神ではムスリムに安心な食材や食器を使ったメニューを提供し、ムスリムの設備、知識を備えた施設であることの証明となるムスリムフレンドリー認証の取得手続きを進めている。認証されれば、大学では日本初となる。

 メニューにはムスリムが食べることのできる料理にマークが付いている。インドネシアから同大に留学しているチャーヤニ・アリヤ・ウィジさん(22)は「ムスリムが安心して来られる食堂になっている」「食材を気にせず友だちと食事をできるのがうれしい」と喜んでいた。

ちばとぴ