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千葉県がイスラム客マニュアル

 2020年の東京五輪に向け、増えているイスラム教の観光客の受け入れに向けた動きが県内で広がってきた。県は今年度、ホテルなど事業者向けに同教徒への対応マニュアルを作成する方針だ。各地のレストランでは「ハラール」に対応した料理の提供が始まり、しょうゆなど専門商品の開発も進むなど、「おもてなし」を強化してさらなる誘客につなげようとしている。

 日本政府観光局の統計では、イスラム教徒が多いマレーシアからの訪日客は今年1~4月、前年同期比で約6割増えている。昨年7月に同国やインドネシアなどイスラム教徒が多い東南アジアを対象に査証(ビザ)の発給要件が緩和されたことが影響したとみられ、今後も東京五輪を控えて増加が見込まれる。

 これに備え、県は昨年度、理解促進を図るために観光関係者らを対象とした研修会を開くなどしてきた。今年度は、ハラール食に関する基礎知識や、礼拝など宗教上配慮すべきことをまとめたマニュアルを今夏を目標に作成する。礼拝所には聖地メッカの方向を示す必要があることなどを明記し、観光関係者らの啓発を進める方針だ。

◇企業

 すでに各企業も様々な取り組みを行っている。

 「ホテルスプリングス幕張」(千葉市美浜区)は、昨年7月からレストランでハラール食を提供している。ホテル内に礼拝室を設け、客室にも礼拝用マットを設置したことで、イスラム教徒の利用客が増えたという。

 日本食をハラール食にするのに欠かせないしょうゆ作りに向けた動きもあり、香取市のしょうゆメーカー「ちば醤油(しょうゆ)」は、アルコール分を抑えた「ハラルこいくち醤油」を昨年10月から販売している。

◇大学

 観光客だけではなく、イスラム圏からの留学生も増加傾向にあり、神田外語大学(千葉市美浜区)は、今年4月からハラール食を学生食堂で扱い、清めの洗い場や礼拝室も設けた。

 インドネシアから同大に留学するチャーヤニ・アリヤ・ウィジさん(21)は「今までは何が使われているか確認する必要があり大変だった。ハラール料理を扱う店がもっと増えれば、多くの人が来やすくなるのでは」と話していた。

◇ハラール

 アラビア語で「(神によって)許されたもの」を意味する。イスラム法では豚肉やアルコールを使うことが禁じられ、それらの食材に触れた調理器具も使わないなど、材料から加工の過程まで厳しい規定がある。

読売新聞

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