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大津・おごと温泉の旅館、ムスリムへ「ハラル」認証の料理提供

 増加傾向にあるイスラム圏からの旅行客を取り込もうと、大津市・おごと温泉の温泉旅館「里湯昔話雄山荘」は、イスラム教徒が食べられる料理と宿泊のプランを設定。インドネシアからの宿泊客を迎え、イスラム教徒向けの料理を初めて提供した。同旅館では料理だけでなく、礼拝のための配慮などさまざまな工夫を凝らし、イスラム教徒の旅行客獲得を目指している。

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 牛しゃぶに茶碗(ちゃわん)蒸し、蒸し鶏のサラダ-。一見、何げない旅館のメニューだが、茶碗蒸しの調理にはアルコールを含む本みりんの代わりに砂糖を使用。牛肉や鶏肉もイスラムの教えにのっとった方法で加工され、豚肉の調理に使った器具は使わないなど、食材から調理過程、食器の洗い場に至るまで、イスラム教で摂取が禁じられている豚肉やアルコールが一切排除されている。

 同旅館は、東南アジアのイスラム教国から関西を訪れる観光客が増えていることに着目。京都に近い立地を生かし、イスラム教徒が安心して泊まれる温泉旅館づくりを2年前から進めてきた。今年5月、試行錯誤の末に完成させた料理が、イスラムの教えに合致することを示す「ハラル」認証を京都の認定団体から受け、同月20日からイスラム向け宿泊プランのPRを始めた。

 今月15日には、名古屋で開かれた研究会に参加するため初めて来日したインドネシア人研究者3人が宿泊。京都観光のあと、和食を食べたいという希望で同旅館が選ばれた。

 料理を食べた3人は「ハラル認証を受けているので安心して和食を体験できた」「おいしかった」「盛りつけがきれいだ」などと満足した様子だった。

 3人の反応に、森順一総料理長(50)は「和食を受け入れてもらえてうれしい。ハラル認証を受けるために材料の調達先や調理方法を工夫するなど、苦労したかいがあった」と喜んでいた。

 同旅館では、食事以外にも、イスラム教徒が1日5回メッカに向かって礼拝するため、メッカの方向を示すコンパスや礼拝用のマットを用意。近親者以外に肌をみせてはいけないという戒律があることから、個室の露天風呂に囲いを設けるなどの配慮も施している。

産経新聞

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