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成田空港、ムスリム向けサービス拡充 イスラム教圏の観光客誘致 千葉

 イスラム教の教義に対応した食事や礼拝スペースをムスリム(イスラム教徒)に提供する取り組みが、成田空港で進められている。ビザの発給要件緩和などで訪日する機会が増えた東南アジアの観光客を呼び込むのが狙いだ。同様の取り組みは国内の他の国際空港でも進められており、誘致競争に打ち勝つためにもサービスの充実が急務となっている。

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 日本政府観光局によると、人口の約6割をムスリムが占めるマレーシアからの訪日客数は1~4月の4カ月間で、前年比約64%増の約7万7千人。世界最大のムスリム人口を誇るインドネシアからは同比約11%増の約4万5千人だった(いずれもムスリム以外の訪日客を含む)。2020年の東京五輪開催を前に、今後もムスリムの観光客は増えるとみられる。

 ◆専用キッチンで調理

 一方で、これまで国内ではムスリムの食事や礼拝に対応する施設は十分に整備されていなかった。成田空港内に調理工場がある機内食製造会社「ティエフケー」は、マレーシア航空の要望で平成12年にイスラム教の教えに背かない食事「ハラルフード」専用のハラルキッチンを設置し、ムスリムの機内食として提供。注文数はサービス開始当初の約600食から、25年には約1千食まで増えた。

 肉類など教義に触れる恐れのある食材は各国の認証機関が認めたものだけを使うのはもちろん、食器からフライパン、冷蔵庫に至るまで専用のものを使用。調理の行程も、ハラルフード以外のメニューとは全く異なる。キッチンの総料理長で同社役員の福本渉さん(58)は「徹底しないと、信頼してもらえない。安心して食べてもらえることが大事だ」と話した。

また、「日本食を食べたい」というムスリムの要望に応えるため、専用のハラルキッチンを備えたセルフ方式のうどん店「杵屋麦丸」と、天ぷら料理店「あげたての味 天亭」が、26日にターミナルビル内にオープン。「ハラル認証レストラン」とし、全メニューをハラルフードとして提供するという。

 居住面でもムスリム向けのサービスの充実化が進んでいる。空港内にある成田エアポートレストハウスでは、巡礼の聖地メッカの方位を指す「ギブラシール」が、全209室の天井に貼られている。じゅうたんや帽子など、礼拝に用いる備品の貸し出しも行っており、ムスリムが1日に5回行う礼拝に対応しているという。

 ◆他の国際空港も

 成田空港以外の国際空港でも、ムスリム向けのサービスの整備が急ピッチで進んでいる。福岡空港(福岡市)は4月、礼拝室をターミナル内に設置。関西空港(大阪市)は昨年9月、日本初となる「ムスリム・フレンドリーエアポート」を目指すと発表、ムスリム誘客に力を入れる方針を鮮明にしている。

 ハラル・ジャパン協会代表の佐久間朋宏さん(43)は「ムスリム誘客のビジネスが活発になり、選択肢が増えることは観光客の満足度につながる」と期待を寄せ、「設備などの充実だけでなく、ムスリム目線に立ったサービスが大切だ」と話している。

msn産経ニュース

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