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「農林水産業・地域の活力創造プラン」改訂 ハラール認証に取り組む地域を輸出モデル地区として支援することなどを追加

 政府は24日、10年先を見通した農政改革のグランドデザインとなる「農林水産業・地域の活力創造プラン」を改訂した。新たに盛り込んだ農協改革について安倍晋三首相は同日、「農協法に基づく現行の中央会制度は存続しないことになる」と述べ、中央会制度に力点を置き、抜本的に改革する方針をあらためて表明した。

秋から年末にかけた農協改革をめぐる議論の第2ラウンドでも「新たな中央会制度」が農協法に位置付けられるかが最大の焦点になるとみられる。生産現場の視点に立った改革を目指す与党側との間で再び厳しい攻防になるのは避けられない。

新たなプランは政府の農林水産業・地域の活力創造本部(本部長=安倍首相)で決定した。昨年まとめたプランを、新たな成長戦略「日本再興戦略」や「規制改革実施計画」などの内容を踏まえて改訂した。これを基に農水省は、来年度予算編成や来年3月の食料・農業・農村基本計画の見直し作業に当たる。 プランではこれまでと同じ「農業・農村全体の所得を今後10年間で倍増させることを目指す」という目標を掲げつつ、新たに農協、農業生産法人、農業委員会の改革推進を盛り込んだ。

・中央会制が焦点 農協改革では中央会制度について「農協法上の中央会制度は自律的な新たな制度に移行する」とした。「新たな中央会制度」が引き続き農協法に位置付けられる形になるのか否かが今後の最大の焦点になる。農協系統組織内の検討も踏まえて政府・与党内で具体的な制度設計を進め、関連法案を来年の通常国会に提出する。 同日の本部で安倍首相は「農協法に基づく現行の中央会制度は存続しないことになる。改革が単なる看板の掛け替えに終わることは決してない」と述べ、改革への意欲をあらためて表明した。これに関連し、林芳正農相は、閣議後会見で「新たな中央会制度」で農協法上の位置付けがなくなるのかを問われると「プランにはそう書いてない。そこも含めて今後検討する」と答えるに留めた。

ただ、甘利明経済財政担当相は閣議後会見で「農協法に基づく存在はあり得ない」と発言するなど、首相官邸側には踏み込んだ改革を迫る雰囲気が強まっている。こうした改革圧力をはねのけられるかは、JAグループが今後打ち出す自己改革案が、農業所得向上につながる大胆な内容に仕上げられるかが大きな鍵を握りそうだ。

プランではまた、輸出について「2020年までに農林水産物・食品の輸出額を1兆円に倍増」という従来の目標に加え「30年に5兆円」という新たな目標も設定。具体策には、イスラム諸国を念頭にイスラム教の戒律に沿った生産・流通を確認する「ハラール認証」に取り組む地域を輸出モデル地区として支援することなどを追加した。 農林漁業成長産業化ファンド(A―FIVE)を企業が利用しやすくなるように出資要件を緩和すること、生乳の流通制度を見直して農家が自らの加工に使ったり直接販売しやすくしたりすること、女性農業者のビジネスの発展支援なども新たに盛り込んだ。

日本農業新聞

 

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