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礼拝マットやコンパス貸し出し 横浜でムスリム誘客活発化

 近年、増加傾向にある東南アジアからのムスリム(イスラム教徒)旅行者の誘客に向けた動きが、横浜市内で進んでいる。市は、本年度、礼拝用のマットとコンパスを貸し出す事業を開始。宗教上、さまざまな戒律や制約がある中、滞在環境を整備することで、旅行先に選んでもらうのが狙いだ。一方、マレーシアやインドネシアなどからの誘客を狙う観光関連事業者を対象に、支援サービスを始めた民間事業者もある。

  ムスリムの割合が高いマレーシアやインドネシアからの訪日旅行者数は近年、経済成長などを背景に高い伸びを示している。日本政府観光局(JNTO)の推計値では、2013年のマレーシアの訪日旅行者数は17万6500人で、前年比35・6%増。同じくインドネシアは13万6800人で、同34・8%増だった。日本政府は昨夏のタイ、マレーシアに続き、今年6月にはインドネシアのビザ免除を発表。訪日旅行の追い風になると見込まれている。

  こうした中、横浜市は13年度、観光情報サイトにムスリム旅行者向けのページを開設し、市内在住のムスリムが勧める観光施設やレストラン、モスクなどを紹介する一方、市内事業者を対象に、食事や礼拝をテーマにした研修会を開催するなどしてきた。本年度、一歩進んだ取り組みとして始めたのが礼拝用マットとコンパスの貸し出し事業だ。

  複合コンベンション施設のパシフィコ横浜やホテル、居酒屋など現在、市内の約10施設に貸与。各施設は希望があれば無料で貸し出している。コロワイドグループの居酒屋「北の味紀行と地酒 北海道 横浜天理ビル店」(横浜市西区)もその一つ。「ムスリムのお客さんは全体の1%にも満たないが、今後を考えると無視できない存在。実際に、お祈りの場所が欲しいとの要望を受けたこともあり、できる範囲の対応をしたい」とコロワイド東日本の担当者は話す。

  一方、従来はタイに特化し、現地旅行雑誌などに掲載する日本企業の広告制作などを手掛けてきたリレイション(横浜市西区)は今年から業務領域を拡大。新たにインドネシア、マレーシア、シンガポールの3カ国を加えた。自社で構築したネットワークを生かし、これらの国々からの誘客を狙う事業者を対象に、現地の旅行雑誌や新聞などへの広告の取り扱いや旅行フェアへの出展、PR媒体の制作などの支援を行っている。

  加藤英代表は「まだまだ開拓の余地がある市場。現地と日本の企業の橋渡し役になるとともに、横浜をはじめ日本の魅力を発信し、誘客につなげたい」と意気込んでいる。

神奈川新聞

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