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イスラム歓迎、千葉が熱い 店や施設に祈祷室など 東南アジアのビザ緩和が追い風

 誰でも使える祈祷(きとう)室に、戒律に沿った食事メニュー。千葉県の幕張新都心や成田空港で、イスラム教徒(ムスリム)向けのサービスが急速に広がっている。東南アジアからの観光ビザ緩和を追い風に、観光客の呼び込みを狙う。

  ■幕張新都心

 千葉市美浜区の幕張新都心。昨年末にできた「イオンモール幕張新都心」の最上4階にある祈祷室を平日昼過ぎ、パキスタン出身のアハマド・ナズィルさん(47)が訪れた。備え付けの水場で手足を洗う。天井にはメッカの方角を示す表示。時折モールの放送が聞こえる中で約20分、静かに祈りを捧げた。

 「1日5回の礼拝はムスリムの義務で、心の支えです。ありがたい」。埼玉県八潮市から千葉市内の会社に通うアハマドさんは夜に帰宅するまで祈れないのが悩みだった。今は休日も家族と同店で買い物をし、祈祷室に立ち寄るという。同店によると祈祷室はイオングループの国内店舗で初。月50~60件の利用がある。

 成田空港や東京駅から車で30分。幕張新都心は国際会議場「幕張メッセ」を核に、千葉県が国際化を目指して開発を進めてきた街だ。外資系企業の拠点が多く、外国人の姿が目立つ。

 新都心にある神田外語大。豚肉やアルコールを使わず、イスラムの戒律に沿って調理する「ハラール食」を出す学食が4月にできた。献立には近くにあるNPO法人「日本アジアハラール協会」が宗教的に正しい食事と認めた印。インドネシア出身のチャーヤニ・アリヤ・ウィジさん(21)は「ここは安心。注文時に細かく材料を聞いて面倒がられずに済む」と喜ぶ。新都心のホテルスプリングス幕張も昨夏から認証ハラール食をレストランで提供する。

 協会は昨年9月、都内から千葉市に移ってきた。サイード・アクター理事長は「ムスリムの受け入れで東京より千葉が一歩進んでいる点を重視した」と話す。

  ■成田空港

 玄関口の成田空港は世界約100都市に就航し、イスラム圏の人の出入りも多い。ムスリム用の礼拝室が今月、2室新設され、計4室に。6月には全メニューがハラール認証を受けたうどん店と天ぷら店も空港内にオープンした。

 これに対し、欧州中心に26都市と結ぶ羽田は礼拝室が1カ所。ハラール認証を受けたレストランもない。

アジアビザ要件緩和がある。日本政府観光局によるとムスリムの多いマレーシアとインドネシアからの5月訪日客は計3万7400人で、前年同期を5割上回った。これを受け、観光振興に向け行政機関が動いた。千葉県は昨年9月に県産品を使ったハラール料理の開発に着手。千葉市は市内の企業や団体に呼びかけ、共同でムスリム誘致を議論する協議会を昨年11月に立ち上げた。

 現代イスラム研究センターの宮田律(おさむ)理事長は「こうした取り組みが広がれば産業育成や雇用創出が期待できるだけでなく、日本への好感が増していき、軍事力によらない平和の確保にもつながる」と話している。

朝日新聞

“イスラム歓迎、千葉が熱い 店や施設に祈祷室など 東南アジアのビザ緩和が追い風” への1件のコメント

  1. […] 米国の調査会社 Pew Research Centerによると、ムスリム人口は増加しており、2020年までには19億人に達すると予測されている。   単純計算で世界人口の4人に1人がムスリムということだ。   そんなムスリム人口の増加には、ユニクロだけでなく、他の企業も対応しており、こちらの記事によると、豚肉やアルコールを使わず、イスラムの戒律に沿って調理する「ハラール食」を出す学食やレストラン、ムスリムの義務である1日5回の礼拝のための祈祷室を設けたショッピングモールや企業も登場してきているほどだ。   そんなムスリムの「マーケット拡大」が一つの理由をして挙げられるだろう。 […]

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