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ドバイで人気の「山の手アトリエ」のパン

今ドバイで我が国のパンやスイーツ類が人気を博している。なかでもいつも地元の女性客で賑わっているのが日本的なパンを提供する「山の手アトリエ」だ。それまでドバイの人たちにとってパンといえば、アラブ式のホブズ・アラビーと呼ばれる平たくて長円形で空洞のある薄いパンか、せいぜいフランスのクロワッサンやドイツのライ麦系のものなどであった。

 そこに2年ほど前になるが、「アンパン」や「チョコレートパン」「カレーパン」「コロッケパン」「焼きそばパン」といった、見たことも味わったこともないパンを売るお店が突然出現した。しかも巨大なショッピングモールの中ではなく、市内でも高級住宅の並ぶ一角にオープンしたのである。オーナーはドバイ首長一族のシェイク・スヘイル・アルマクトゥーム氏。日本式のパンに興味を抱きアラブ人にも必ず受けると考え出店したという。

 「山の手アトリエ」の成功の秘訣は、全て日本から取り寄せた小麦粉を使い日本人のパン職人が丹精込めて作っている点にある。日本らしさが食べ物には目の肥えているドバイ人のハートをつかんだということだろう。店内に6つほどの丸テーブルと椅子が設けられ、その場で飲食できることも魅力のようだ。

 飲食業をアラブ世界で成功させるには地場の特性を正しく把握することが不可欠である。ドバイではサウジアラビアのデーツ(ヤシの実)・スイーツの専門店バティール(Bateel)も地元民に大受けしている。それまでのデーツ・スイーツとは異なり、デーツの中ほどをカットしオレンジやレモンピールなどを挟み込んだアイデアが新たな需要を掘り起こしたのだ。

 しかもバティールが優れているのは、お菓子を買うにも座ってお茶を飲んだりお喋りをしたりするドバイ人の特徴を捉え、喫茶風のバティール・カフェという店舗を新たに設けたことだ。ブランドへの誇りと商品へのこだわりから、日本式にこだわりがちな我が国企業には参考になりそうだ。

 実は今ドバイでは健康意識への高まりもあり、「小さく」「甘さ控えめ」な日本のスイーツ類への関心が急速に高まっている。既に、シガール洋菓子の「ヨックモック」やチョコレートの「ロイズ」、シュークリームの「ビアードパパ」が、ドバイやアブダビに出店し地元民の心を捉えている。

 ドバイでは毎年2月「ガルフード」と呼ばれる食品展示会が開かれ、富裕な湾岸市場への進出を目指す世界各国の食品メーカーなどが出店し売り込みに躍起となっている。国内市場の飽和気味な我が国食品関係者にとっても大きなチャンスとなるはずだ。

WedgeInfinty

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