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種商がハラール認証 米卸、雑穀加工で国内初 佐賀県鳥栖市

 米卸、雑穀加工食品製造の「種商」(鳥栖市、諸冨健児社長)は25日、イスラム教の戒律に沿って処理するハラール認証を取得したと発表した。鳥栖市内の3工場で製造する約250種類の全商品が認証を受けた。同社によると、米卸、雑穀加工食品会社でハラール認証を受けるのは国内初という。

 日本アジアハラール協会(千葉市)から12日、認証を受けた。工場は従来から豚肉やアルコールを使わず、トレーサビリティー(生産流通履歴)に取り組むなどハラール要件を満たしており、訪日外国人増加を好機と捉えて認証を取得した。国内のホテル、レストラン向けに9月からハラール商品の販売を始める。

 2020年の東京五輪に向けてイスラム教徒の来日がさらに増えると予想され、ハラール認証食材の需要も高まるとみられる。同社によると、ハラール食材をそろえたメニューの導入を検討するホテルやレストランが増えているという。

 同社の14年2月期の売上高は26億円。ハラール商品の導入で5%増を目指し、アジア向けなどの輸出拡大も見据える。諸冨和馬常務は「コメの消費が落ち、価格も低下する中、ハラール認証で差別化を図りたい」と話す。

佐賀新聞