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ホテルゆがふいん 県内初ムスリムフレンドリーに認証 沖縄

【名護】NPO法人日本アジアハラール協会の定める日本版ハラール規格「ムスリム・フレンドリーホテル」に、県内で初めてホテルゆがふいんおきなわ(名護市、渡慶次潤総支配人)が認証され16日、関係者へ発表した。イスラム教徒(ムスリム)の利用者が安心し宿泊できるように、食事と客室で専用のサービスを行う。同協会理事長のサイード・アクター博士は「海の輝きなど沖縄の自然は素晴らしい。食事の心配がない意義は大きく、魅力発信の新たな一歩となろう」と認証による観光の効果を強調した。
 ゆがふいんおきなわは、これまでもムスリムの利用者に個別対応してきた。食事の要望などがあったのを機に、受け入れ体制を強化することにした。
 新たなサービスの中でも食事については特に気を配る。メニューはもちろん、食器や冷蔵庫、洗剤なども専用にした。朝食やランチバイキングでは常時2~3品のハラールメニューを用意し緑色の表示で他の料理と区別する。夕食はお膳料理を基本に、ゴーヤーやモズクなど県産食材も積極的に活用している。
 客室には礼拝用マットや礼拝の時刻表を備え付け、方角が分かるような表示も行っている。
 ゆがふいんおきなわを運営する前田産業ホテルズの前田裕子社長は「厨房や客室など現場スタッフの理解があり取り組むことができた」とした上で「異文化を受け入れる多様性が今後の沖縄観光にはさらに求められる」と展望。「他のホテルにも波及し、点が線になり、面へとつながってほしい。より多くのムスリムの観光客に沖縄をゆっくり満喫してほしい」と話した。

琉球新報