フィリピン:観光業界にハラール認証取得を奨励
フィリピン国内の主な観光業者はムスリム国からの観光客増加を加速させるため、ハラール産業の開発を進めていく。
フィリピン観光評議会委員のMarilou Ampuan氏は12日に開かれた討論会において、ムスリム・フィリピン国家委員会(NCMF)に認められた認証機関から認証を受けるよう企業に呼びかけた。
Ampuan氏は、観光客が国を訪れる際に実際に彼らと接するのは観光業者だという。
フィリピンにおいてNCMFが認めている認証機関はルソン、ビサヤ、ミンダナオの各地域に1つずつあるだけである。
現時点で興味を示している企業はダバオに10社、ビサヤに20社(うち10社がボラカイ島)、ルソンに20社あり、製品の生産過程やサービスについてハラールの考えやコンセプトを当てはめて行くことになる。
Ampuan氏は、これらの企業に対し初期段階では税金免除を適用するのがベストだろうと言う。
「2016年はハラールに対する認知を広げたい。ハラールについての基本的情報を持たない人に対しては、何をすればいいのか伝えることはできない」と話した。
2015年7月、市議会はムスリムの権利、文化、生活様式を保護し広めるため、「ハラール条例」を改正した。この条例改正により、ハラールの手法で調理された食品や飲料はNCMFに認められた認証機関からハラール認証を受けることが推奨されるようになる。
アブリーザ・モールで昨年7月に開かれたハラール・フェスティバルにおいて、市議会のMabel Sunga-Acosta氏は「ハラールについてのよくある誤解は、豚肉などの禁止されている材料が入っていない食品であると思われていることだ。しかしハラールとは単に食品を表す言葉ではない。生き方であり、イスラムの教えに従って神の祝福を受けた生活様式を守るということだ。食品や飲料だけではなく、あらゆることに通じている」と話した。
同氏はまた、すべての食品やそれ以外の企業に対し、ハラール処理についてより標準化された規則をNCMFが整えていくことを付け加えた。
Ampuan氏によれば、市内のホテルはムスリム観光客が求める基本的なものを整える必要があると言い、メッカの方向を矢印で示すキブラ、ムスリムが毎日5回するサラート(礼拝)で使用する礼拝用マット、クルアーンなどイスラム教徒向けの書籍などがこれに含まれる。
「市内のホテルでは、彼らが快適に過ごせるよう基本的なものは揃えておく必要がある」と同氏は話す。
このような基本的設備の整備については、マルコポーロ・ホテル・ダバオ、セダ・アブリーザ・ホテル、パークイン・バイ・ラディソン・ダバオ、グランド・リーガル・ホテル・ダバオ、ウォーターフロント・インシュラー・ホテル、ミクロテル、エル・バジャダ・ホテルなどのホテルが同意を示している。
Ampuan氏は、ダバオ市がハラール・フレンドリーな街になるだろうという。
認証を受けた企業が増えることが必要だが、ハラール産業はすでに世界的には3.2兆ドルの市場に達しているのに、フィリピンはマレーシアや近隣のASEAN諸国に比べてごく小規模のシェアしか獲得していない。
すでにハラール認証を受けて輸出をしている企業もあるが、国外ではフィリピンのブランドの信用力が無いと同氏は指摘している
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