フィリピン:ASEANハラル市場の30%獲得を目指す
フィリピンは1.38兆ドルにも上るとみられるASEANのハラル市場について、その30%の獲得を目指している。
25日に開かれたフィリピン・ハラル信認連盟の会議において、国家フィリピン人イスラム教徒委員会(NCMF)のムスリム経済問題局長であるAleem Siddique Guiapal氏は記者団に対し、市場全体の30%を獲得したマレーシアがフィリピンの目標だと言う。
世界全体でハラル製品の需要は2.3兆ドルあるとするMihas(マレーシアのハラル・フード・フェア)の数字を引用してGuiapal氏は話した。
うち60%にあたる1.38兆ドルがASEANにおける需要であり、マレーシアはなかでも30%に当たる159億ドルを獲得している。(訳注:原文の数字は合わないので、需要と市場規模の計算にズレが有ると思われます)
現時点でのフィリピンの市場シェアがごくわずかにとどまっているのは、フィリピンのハラル製品メーカーやサービス提供会社に対する信頼度が低いからという背景がある。
Guiapal氏は「2016年までに30%の市場獲得を目指すということは、潜在的には159億ドルにも上るビジネスの可能性があるということだ」と言う。
現在フィリピン国内には18のハラル認証団体が存在するが、信頼性が高いと考えられているフィリピン・ハラル連合のメンバーとなっているのは9団体のみに留まる。
フィリピン・ハラル信認連盟のCEOであるPotre Diampuan博士はムスリム人口が年間1.8%で増加するという点に触れ、ハラル食品や食品以外のサービスに対する需要は急速に拡大していくだろうと言う。
フィリピン国内のメーカーは信頼されていないため、フィリピン人ムスリムは食品やそれ以外の製品をいまだマレーシアから輸入しているのは残念なことだとDiampuan氏は言う。
「ハラルとは食品だけでのことではなく、イスラムの生き方であり、大きなビジネスに成長している」とDiampuan氏は話す。
ムスリムの世界でハラルとは、法に則っている、許されているということを意味し、ビジネスのやり方も含め生活全般を規定している。
NCMFはフィリピン国内でハラルに対する認識を高めるため、他の関係者と協力して8月22日から24日まで国際ハラル会議を主催する。