日本からの輸入菓子 豚肉使用で回収騒動に
日系菓子大手ブルボンの商品に豚材料が使用されていたにもかかわらず、インドネシアで流通していた。・販売を手がけたコンビニ大手インドマレットは、商品の回収に着手している。・この騒動をブルボン本社は先日まで認識していなかった。
気を抜けない食品ビジネス
先日、Walkersインドネシアで日系菓子大手ブルボンの非ハラール商品がコンビニエンスストアに流通していたというニュースをお伝えしました。
問題の商品は日本で製造された『プチポテトコンソメ味』。これをメダン所在の輸入代行企業CVロマが購入し、そこからインドマレットの運営会社インドマルコへ商品を卸したという構図のようです。
>日系企業の輸入菓子、豚材料が発覚(KOMPAS)
該当商品の成分表示は日本語で書かれていて、そこに「豚肉を含む」という文言もあります。しかしそれをインドネシア語に訳したシールなどは貼られなかったようです。
すなわちCVロマもインドマルコも、成分表示の内容を完全に把握していなかったということになります。
騒動になっていることを知らなかった
WalkersインドネシアがこのニュースをFacebookページに掲載したのは、今週火曜の朝です。そして新潟県に本社を置くブルボンは、この騒動を前日月曜の昼までまったく把握していなかったという報道もあります。
>生産者は事件を把握せず(Tribunnews)
この記事によると、現地メディアの記者が電話をかけるまでブルボンの社員は、自社製品がインドネシアで大きなニュースになっていることを知らなかったそうです。
現に日本でこの話題を取り上げているメディアは皆無で、日尼の食品に対する意識の格差がよく読み取れます。
ちなみにこの時点で、インドネシア消費者協会(YLKI)の常任委員は、物流の監督不行き届きについて謝罪する声明を出しています。
消費者から見れば
この事件の法的責任はどの企業にあるか、ということは今後の展開次第だと思われます。
しかしそれを抜きにしても、該当商品の流通に関わった全ての企業に配慮が足りなかったことは否めません。
そして消費者の目から見れば、輸入や流通にどこの企業が関係したとしても「あの商品は日本のブルボンという会社のもの」という認識に行き着いてしまいます。残念ながら、それが取引先企業による平凡なミスだろうと、宗教的配慮を欠いたという事実は大変なイメージダウンになります。
今後爆発的な伸びが期待されるハラール商品市場ですが、こうした繊細さや難しさがあるということも認識しなければならないようです。