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フランス製のハラル検査キットが発売

フランスの企業が「Halal Test」と呼ばれるものを開発し、食品に豚肉やアルコールが使われているか、ものの数分でわかるようになった。

Photo-10-980x460フランス製として最近では最も成功を修めた製品と言う人もいるかもしれない。

「Halal Test」と呼ばれるこのキットは、イスラム教によって食事制限を課されているムスリムが使用するためにデザインされており、1つあたり6.90ユーロ、もしくは25個のセット125ユーロで販売されている。Le Nouvel Observateur誌が報じた。

検査方法は妊娠検査薬と似ており、使用する際は食品サンプルを温かい水の入ったグラスの中に入れ、細長い検査紙を浸す。数分後には検査の結果が二択で示される。線が一本出ていれば陰性、線が日本出ていれば陽性、つまりアルコールや豚肉が含まれているということである。

この検査方法は経営学を学んだAbderrahmane Chaouiと起業家のJean-Francois Julienの二人が設立したCapital Biotech社により開発された。

ハラル肉とはイスラムのやり方に則って屠殺されたものを指すのだが、現時点では食品が本当にハラルでムスリムが食べてもいい、ということを証明するような検査は存在しない。しかし、Chaoui氏はこの検査方法により、「コーランによって禁止されている食品が入っていないということは確認できる」という点が重要だという。

アルジェリア生まれのChaoui氏は、ラベル表示のない食品を買う際に助けになるだろうと話す。

「旅行中にレストランに行ったり、食事を持ち帰ったりしても、製品にラベルがついているとは限らない」からだ。

起業家である彼らが乗り出そうしているこの市場には、大きな金脈が眠っている可能性がある。フランスには600万人のムスリムがおり、ハラル食品の市場規模は年間55億ユーロと推測されている。

また、彼らは動物の屠殺方法についても、血液中の酸素含有量をもとに特定する検査方法を見つけることができるだろうと楽観視している。

ハラルという単語は通常生肉製品を指す言葉だが、調理済み料理、飲料、お菓子、化粧品、医薬品などに対しても使われる。

最近フランスでは間違ってハラルとラベルされた食品がスキャンダルの的となっている。

2011年1月、Knacki Herta社の鶏肉ソーセージはハラルと表示されていたが、検査により豚肉の使用が確認され、ス-パーマーケットの棚から消えた。

ハラル食品の問題はフランスでしばしば議論の的になる。極右政治家は食堂でのハラル食品提供禁止を訴えており、これに従う保守派の人びとも一部に出てきている。

2012年の大統領選前には極右政党国民戦線からの票を失うことを恐れたNicholas Sarkozyがハラルの問題に飛びつき、学生食堂では肉の選択肢を与えるべきではないと発言している

2013年3月には食堂で豚肉の代用食を出さないと学校が発表したことを受け、南西の街Arveyres でユダヤ教徒とイスラム教徒の親が激怒していることをThe Local誌が報じている。

今年に入って7月には、フランスの刑務所で受刑者に対してハラル食を提供することを命じた判決がリヨンの裁判所によって覆されている。

The Local

Halaltest.fr

(編注:サンプルを送っていただくことになったので、到着次第、使用レポートを載せていきます)