イスラム金融

イスラム金融

イスラムでは富が過度に集中しないよう、たとえ金融機関であっても利子(リバー)ではなく投資によって事業を行うことが求められています。また、少数の富裕者が富を独占したり、貯めこんだりすることを避けるため、ザカート(喜捨)が五行の一つとしてムスリムに対して課されています。

イスラム金融とは投資によって事業を成功・継続させ、その恩恵は多くの人に分配して社会全体を発展させていこうとするための仕組みといえるでしょう。

このようなイスラムの教えを金融業務の中で実践するため、ムダーラバ(mudharabah)とムシャーラカ(musharakah)という2つの契約形態により、事業から得られる利益の分配を行います。

[su_heading align=”left”]1. ムダーラバ契約[/su_heading]

[su_quote cite=”「ハラルをよく知るために」より引用”]ムダーラバとはイスラムの契約形態で、一方が資本(金銭)を提供して、もう一方が経営の専門知識を提供することにより、特定の合法な事業やプロジェクトに取り組むもの[/su_quote]

この契約形態において事業を行う場合、当事者は出資者と代理人に分けられます。出資者は事業の運営に干渉する権利は持っていませんが、事業改善に向けた条件を規定する権利は有しています。

有能だが資本を持たない起業家はこの形態による出資を受けることが多いようです。代理人は事業で獲得した利益の中から、事前に両者で合意した比率を受け取る一方で、定期的な給与や報酬を請求することができません(詳細は各学派によって異なります)。

[su_heading align=”left”]2. ムシャーラカ契約[/su_heading]

[su_quote cite=”「ハラルをよく知るために」より引用”]ムシャーラカとは一種のパートナーシップで、二者以上の当事者が資本、労働力、信用力を共有し、利益を分配し、同じような権利と責任を負うという形である[/su_quote]

この契約形態では、複数のパートナーがお互いの必要性に応じて資本を拠出し、そこから生まれる利益や損失も分配していくものです。

例えばムシャーラカ・ムタナキサという形態の契約で、銀行と個人が家や施設などの資産を共同で購入するとします。この家を利用する個人は、銀行の所有分について毎月の賃借料を払わなければいけません。個人はこの賃貸料を払うことによって銀行所有分を購入していくことになり、契約終了時には全ての所有権が個人に移行していることになります。

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