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OICが世界規準のハラル規格設立に動き出す

世界中のムスリム諸国が参加するイスラム諸国会議機構(OIC)は今後イニシアティブを取り、世界で通用するハラルの規格を決めいく。パキスタン・ハラル協会の事務総長Asad Sajjad氏が4月28日に語った。 

「OICはハナフィー学派、シャーフィイー学派、マーリク学派、ハンバル学派、ジャアファル学派など全てのムスリム学派が受け入れられ、各国ハラル認証機関が運用できるようなハラル規格を作るよう、イスラム標準計量機構に指示した」と事務総長は話す。

SMIICはハラル認証機関の活動を規制し、きちんと運営できるようガイドラインを実施するための組織である。SMIICはすでにハラル製品の製造工場や認証機関向けに、OIC-SMIICハラル標準規格と呼ばれる世界共通のハラル標準規格を作っている。

Sajjad氏はOIC-SMIICのロゴが必要であり、今後は各認証機関のロゴの横にOIC-SMIICのロゴが製品やサービスに用いられることになるだろうと話す。

「6月4日にはイスラマバードにおいてOIC SMIIC主催の世界ハラル会議が開催されることになっており、世界中の宗教学者や技術/科学方面の専門家が集まり、さまざまなビジネスや政策決定者の間で交流を深め、世界的なOIC-SMIICハラル標準規格の重要性を議論する」とSajjad氏は語る。

現在ハラル認証機関やハラル団体は世界中で400以上存在しているが、国際機関に認められていたり登録されているのはその中でもごく一部だという。

一部の国では認証機関が乱立する一方、別の国には一つもないという事実もある。認証機関が数多く存在する地域では競争が高まり、規格の違いや和解を繰り返すことにより、敵対的な関係が生まれてしまう可能性もある。

ハラル規格は国ごとに設定されるなど数が多く、ときには一つの国に複数の機関が独自に規格を設定していることもある。

これらの規格は多くの面で類似しているのだが、全てが同じわけではない。どのような電気ショックを使うのか、機械を使った屠殺をどの程度採用するのか、最終製品に使うエタノール濃度はどうするのか、などがその例として挙げられる。

「これらの点に対する見解は認証機関の間で違うため、 各国で認証制度が異なることになり、非生産的な競争が起きている。結果、ハラル団体やイスラム団体の間ではイスラムで禁じられているような対立が生まれることにもつながっている」とSajjad氏は言う。

ハラル規格が世界各地で乱立しているため、ハラル監査について混乱や誤解をしている人が多く、ハラルロゴが悪用されていることもある。

結果、サプライチェーンが断絶され、人為的な形で原材料の不足を引き起こしている。

ハラル製品の製造業者がハラル認証を得られなければ、大きく売上が落ちることは間違いないだろうと言う。

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