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イスラム教徒に安心料理 金沢・柿木畠で勉強会発足 石川県

 柿木畠振興会は年度内に、イスラム教の戒律に従って製造されたことを示すハラール食材を使った料理の提供を目指す。イスラム教では食べられない豚肉やアルコール類を避けた新メニュー開発を進め、県内に住むイスラム圏からの留学生や出身者を呼び込む。1日には、留学生を交えたハラールフード勉強会を開き、来年2月を目標に、5店舗ほどでハラール料理を1品ずつ提供する計画を決めた。

 第1回の勉強会は柿木畠の中華料理店「全開口笑」で開かれ、飲食店関係者7人とイスラム圏であるマレーシア、インドネシアの金大留学生4人が意見交換した。留学生は、県内にはハラール料理を提供する飲食店が少ないことを指摘し、「気軽に立ち寄れる店が増えるとうれしい」と話した。

 柿木畠振興会は以前から、外国人や観光客に優しいまちづくりを目指しており、七夕の飾り付けに留学生を招いたり、「柿木畠水掛け神輿(みこし)」に外国人が参加したりと交流を進めてきた。

 振興会は今後も留学生と勉強会や試食会を重ね、ハラールの理解を深め、基準を満たす飲食メニューを開発する。メニューはラーメン、おでん、すしなどを予定している。

 英語表記のメニューや商店街の各店を紹介するパンフレットも作る。

 ハラル・ジャパン協会(東京)によると、ハラールはアラビア語で「(イスラムの教えの)よいもの」を指す。豚肉やアルコール類を含む食品は「悪いもの」とされ、豚以外の動物でも肉の処理方法が細かく定められている。

 振興会の竹内公明常務理事は「ハラール料理を提供できる店舗を増やすことで、イスラム圏の観光客が安心して金沢を訪れられるようにしたい」と話した。

北國新聞